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咚咚吊橋 墜落_免費全文_現代 綾辻行人_全本TXT下載

時間:2021-02-16 01:33 /淡定小說 / 編輯:雲曦
《咚咚吊橋 墜落》是綾辻行人所著的一本二次元、進化變異、推理型別的小說,作者文筆極佳,題材新穎,推薦閱讀。《咚咚吊橋 墜落》精彩節選:「何がもっと重要なんですか」 と、僕が訊《き》いた。U山さんは空っぽになったグラスを見下ろしながら、「ビールがもうないんだよなあ。これっぽっちでなくなるはずはな...

咚咚吊橋 墜落

小說朝代: 現代

更新時間:2020-07-21 04:42

連載狀態: 已全本

《咚咚吊橋 墜落》線上閱讀

《咚咚吊橋 墜落》章節

「何がもっと重要なんですか」

と、僕が訊《き》いた。U山さんは空っぽになったグラスを見下ろしながら、「ビールがもうないんだよなあ。これっぽっちでなくなるはずはないんだけどなあ」テーブルの上にはビールの空缶がずらりと並んでいる。少なくともその半分を消費したのはU山さんである。あと半分のうち、グラス一杯分を僕が、殘りをA元君が飲んだ勘定《かんじょう》だった。K子さんはお茶しか飲んでいない。

「冷蔵庫の中にもないんだなあ」

U山さんはを込めて訴える。

「そんなはずは斷じてないんだけどなあ」

「今晩はもう、お酒はやめておきなさいって。そういうことね」K子さんがさらりと受け流す。U山さんは物悩ましげに「うーん」と唸《うな》った。

「おかしいなあ。もっとたくさん買ってきたはずなのに」

それから上目遣いでK子さんを見て、「どこかに隠したでしょ」

「隠さないわよぉ。そんなことしても、無駄だもの。U山さん、すぐに探し出しちゃうんだから」結婚して何年にもなる夫婦なのに、K子さんはU山さんのことを「U山さん」と呼ぶ。それ以外の呼び方を僕は聞いたことがない。U山さんの方もK子さんのことを舊姓に「さん」付けで呼ぶ。最初はちょっと違和を覚えたものだけれど、慣れてしまうとこれはこれで良いじなのだった。

「うーん」

U山さんは腕組みをし、いよいよ物悩ましげである。

「おかしいなあ。ビールがない……これは問題だと思うなあ」「U山さんU山さん」

と、遠慮がちにを挾んだのは新擔當のA元君だった。熊の縫いぐるみに眼鏡をかけさせたような、実にまろやかな風貌の彼だが、なかなかどうして一筋縄ではいかない男だということが、最近になって少し分かってきた。財布を持たない、腕時計をしない、車はMG、お櫃《ひつ》で出されたいご飯は殘さず食べる……こだわりの三十歳獨なのである。

A元君も酒好きという點ではU山さんに負けていないが、いくら飲んでも顔一つ変えることがない。酔い潰れて「芋蟲」になるようなこともないから、周囲の人間は安心である。ちなみに僕はと雲うと、ビールならグラスに二、三杯も飲めばすっかり酔っ払って寢てしまうという、何とも安上がりな質をしている。

「買ってきたビール、ここに著いてすぐにU山さん、自分でベランダに出してたじゃないっすか。忘れないでくださいよ」雲われて、U山さんは一瞬きょとんと目を見張ったが、すぐに「おお」と歓喜の聲を発してベランダの方へ向かった。そしてまもなく、外気の寒さでよく冷えた缶ビールを、ごっそりと両腕にえて戻ってくる。

少々|呆《あき》れ顔のK子さんの方をちらちらと窺《うかが》いつつも、U山さんは嬉々としてグラスを新しいビールで満たした。

「綾辻君もどう?」

勧められたが、「今夜はもうやめておきます」と辭退した。先述のように安上がりな質である上、今朝方からどうも社蹄が熱っぽい。風《かぜ》でも引いてしまったらしい。先ほどK子さんに頼んで風薬を分けてもらい、すでにビールが一杯分入っていたところへそれを重ねて飲んだものだから、何だか頭が朦朧としてきているのだった。

「A元君は飲むでしょ」

と雲って、U山さんは部下のグラスにビールを注ごうとする。A元君はすると、「ぼくは他のお酒の方がいいな。U山さん、よくそんなにビールばっか飲みますねえ」U山さんは「おお」と大袈裟《おおげさ》にのけぞってみせ、「A元君は他のお酒だって。ウィスキーがあったよね」

と、K子さんに註文する。

「あ、はあい。――何かで割る?」

「ロックでお願いしまーす」

K子さんがキッチンの方へ立ち、新しいグラスと氷の用意を始める。

「綾辻さんも、何か。お茶かコーヒーにしておく?」

「コーヒーをお願いします。思いきり濃いのを」

「じゃあ、あたしもコーヒーにしよっと」

そうこうして各自のにそれぞれの飲み物が揃ったところで、U山さんが改めて「かんぱーい」とグラスを差し上げる。ビールがまだふんだんに殘っていると分かって、すっかり上機嫌な様子だった。

「さてさて、それで?」

何事もなかったかのように、U山さんが話を元に戻した。

「どんな事件があったの?その話、ボクもまだ聞いてないと思うなあ」「あたしもね、昨《きのう》知ったばかりだから」

K子さんはおっとりと答えた。

「ここのお隣の村に……ほら、カサイさんっていう方が住んでらっしゃるでしょ」カサイさん?

聞いてまず、僕が作家の笠井《かさい》潔《きよし》さんのことを思い浮かべたのは雲うまでもない。しかしはて、笠井さんが住んでいるのは「ここのお隣の村」だったろうか。〈ヴァンピル亭〉の異名を持つ笠井邸があるのは確か、同じ|八ヶ嶽《やつがたけ》の麓《ふもと》でも、このあたりからはもっとずっと離れたところだったのでは……?

同様の疑問を、きっとA元君もいたに違いない。ロックのグラスを振りながら、小熊のように首を傾げて僕の方を窺っている。U山さんはどうかと雲うと、これまた大いに訝《いぶか》しげな面持ちで、「そんな人、いたっけなあ」

「あれ。もう忘れちゃったの?」

出來の悪い子供を見る親の目で、K子さんはU山さんをねめつける。

「ほらほら。フェラーリに乗っている派手なおじいさんがいて……って。に話したじゃない」「え?――ああ」

U山さんはごつごつと拳《こぶし》でこめかみを小突きながら、「そう雲われれば、聞いたような気もするなあ。フェラーリ……あ、そうか。あの?」

「本當にもう、忘れっぽいんだから。に話した時も、U山さん、きっと酔っ払ってたのね」「あはあ、面目《めんぼく》ない」

やはり「カサイさん」というのは、作家の笠井潔さんとは別人のようである。笠井さんと雲えば、愛車はルノー?アルピーヌ。フェラーリに乗っているという話は聞いたことがないし、「おじいさん」と呼ばれるような年齢でも全然ない。

「――でね」

決してれることのないおっとりとしたペースで、K子さんは言葉をつなげた。

「そのカサイさんちのシンちゃんがね、今週の火曜――十四の夜に、誰かに殺されちゃったんですって」

十一月十八、土曜の夜。

信州《しんしゅう》は八ヶ嶽の麓にU山さん夫妻が所有するセカンド?ハウスに、僕は來ていた。この地方ならではの美しい樺《しらかば》の森の中に造成された別荘地、その一畫に建つ瀟灑《しょうしゃ》なリゾート?マンションの一室である。

僕が普段活動の拠點としている京都の街を発ったのは十七の朝のことで、そのは東京を経由して軽井沢《かるいざわ》に向かった。毎年この時期には、「軽井沢のセンセ」こと內田《うちだ》康夫《やすお》さんの主催で「軽井沢の晩秋を楽しむ會」というパーティが開かれる。內田さんとはちょっとしたご縁があり、「綾辻君も一度ぜひ」とお招きを受けたもので、久しぶりに信州の空気をいにいくのもいいなと思って重いを上げたわけだった。

當初は軽井沢のホテルに一泊だけして、まっすぐ京都へ帰る心づもりだったのである。ところがそこへ、「せっかくだからA元君と一緒に八ヶ嶽にも寄っておいきよ」とU山さんからお誘いがかかった。內田さんのパーティにはU山さんもA元君も出席する、二人とも自分の車に乗っていくので翌はどちらかの車に同乗して八ヶ嶽まで移動すればいい、K子さんも時期をわせて行くことになっているから……と雲う。あっさりと僕の心が動いたのは、當然と雲えばまあ當然である。

この十月末には短編集『眼綺譚《がんきゅうきたん》』がS英社から無事に刊行されて、次はK談社から、これまでに書いた雑文の類《たぐい》をいっさいがっさい詰め込んだエッセイ集のような本を出す約束をしていた。擔當がA元君に替わって初の仕事になる。そんな狀況でもあるので、それじゃあお言葉に甘えてお魔《じゃま》して、そこで本作りの打ちわせなんかもしちゃいましょうか――と、話がまとまったのだった。

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咚咚吊橋 墜落

咚咚吊橋 墜落

作者:綾辻行人
型別:淡定小說
完結:
時間:2021-02-16 01:33

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